1917 命をかけた伝令 あらすじ~全編ワンカットとは?

『1917 命をかけた伝令 あらすじ~全編ワンカットについて』

 

 

サム・メンデス監督が送る第一次世界大戦の西部戦線を舞台にした、全編ワンカットの緊迫感溢れる映画となります。

そもそも映画の事をよく知らない人は全編ワンカットと聞いてもピンと来ないと思います。

まずはその全編ワンカットなる映画の手法がどれだけ大変で凄い事なのかを一緒に学んでいきましょう。

この手法は読んで字の如くになりますが、冒頭からラストまで映像が繋がるのでワンカットと呼ばれています。

実は所々に分からないレベルで繋いでいる部分もあるみたいなので「全編」とは言い切れないみたいですけどね。

 

やはりその手法を選択したのは戦争映画で重要なリアリティを演出する為ではないでしょうか。

 

映画に限らず映像作品は編集して物語を繋いでいくと思うのですが、こちらは極端に言ってワンカットなので編集がほぼ不要となります。

 

何だかそれなら編集が楽でいいんじゃない!?と思うかも知れないですね。しかし考えてみて下さい。

「スタート!!」と言ったらひたすらカメラを回し続けるので演者は想像以上に緊迫感やプレッシャーが凄いと思います。

 

監督自身も実際に撮影するとなると、綿密な計算と何度も何度もリハーサルを繰り返す事がとても大変だったとの事。

 

その仕事量の凄さは監督が普段撮影する50倍にもなったらしいです。それだけ費やした時間の多さは計り知れないですね。

 

前述した通り「ワンカット風」なので多少の編集はされているのでしょうが、恐らくこの手法を選んだのは意味があると思います。

 

推察となってしまいますが、これは戦争映画なのでスポットを当てる人物を絞る事により更にリアリティを出しているのではないかと思いました。

 

主人公の行動はもちろんの事、その場その時の心理状態や取り巻く状況の変化がとても伝わり易いのではないでしょうか。

 

さて、それを踏まえてこの映画のストーリーですが凄くシンプルな内容となります。

ストーリー あらすじ

それは「第一次世界大戦のなか、2人の若きイギリス兵士が友軍に「作戦中止」の伝令を敵(ドイツ軍)が待ち構える戦場を駆け抜け、友人を亡くしながらも何とか届けに行く」

端的にまとめると本当にこんな感じなのですが、届けに行くまでの背景や困難や苦悩が半端ないです。

第一次世界大戦が始まり3年が経過した時がこのタイトルの1917年なのかなと思います。

この映画はその中での「西部戦線」についてです。それはイギリス・フランスなどの連合国軍とドイツ軍の戦いの事を指します。

両軍に構築された塹壕に身を潜めて神経を磨り減らしながら消耗戦をしていく場面も多くあり、戦闘機などでの戦いをイメージしている人には大変地味な印象かも知れません。

でもこれが戦争の現実であり今回の内容も、戦争を食い止めた英雄の話でも連合国軍を勝利に導いたヒーローの話でもありません。

何度も言いますが、ただ伝令を持って行っただけの男2人にスポットを当てた「ちっぽけなテーマ」の様に思えてしまいます。

 

今の時代ではちっぽけなテーマだと思いますがこの時代ではインターネットはおろか電話線すらも戦争によりまともに繋がってない状況なのです。

 

自ずと頼るしかないのは「人」です。マンパワーで重要なメッセージを伝えなければ誤った判断をし、敗北や全滅の危機があると言う事なのです。

 

エリンモア将軍から伝令を頼まれたのはウィリアム・スコフィールドとトム・ブレイクの2人です。

 

マッケンジー大佐率いる部隊がドイツ軍の退却に便乗して攻め入ろうとしているが、それはドイツ軍の罠であり作戦中止を伝えなければならなかったのです。

 

よく考えるとかなり無謀な命令です。ドイツ軍が退却しているとは言えまだまだ潜んでいるかも知れない敵の陣地に軽装で乗り込むのはかなりリスクですよね。

 

でもトムにはそんな事考えてる余裕はありませんでした。それはマッケンジー大佐率いる部隊に兄がいるので冷静ではいれませんでした。

 

しかし途中で空中戦で敗れたドイツ軍のパイロットを救おうとした事が転機となります。この情けが仇となりトムはパイロットに刺されてしまいます。

 

ウィリアムはトムに兄を探す事と任務を必ず遂行することを誓います。

ここでトムは息絶えてしまいました。

 

その後は銃撃を受けて怪我をしながらも川を渡り、滝つぼに落ちおびただしい数の兵士の死体を乗り越えたりと色々な試練を乗り越えながらも大佐のいる部隊に到着しました。

マッケンジー大佐は「もう遅い!」と言いましたが伝令を読み顔色を変え、攻撃の中止を命令しまし

た。

 

そしてウィリアムは自分の手当てよりもトムの兄を探し見つけます。兄に「弟はどこに?」と聞かれると「始めは2人でした」と答えます。

 

そして兄は「最後に弟のそばにいてくれて感謝する」と涙をこらえていました。

 

そしてラストはウィリアムが木にもたれかかり母の写真をポケットから出しました。

裏面には「無事に戻って」と書いてありました。

 

決してハッピーエンドではなく、映画の冒頭でウィリアムが木にもたれかかるシーンと重なりエンドレスループを想像してしまう内容です。

 

作中でマッケンジー大佐が「また今度は戦闘の開始を告げる伝令がある」と語った様に、今回の映画は単なる戦争中の雑務に過ぎない何か府に落ちないストーリーだと思うか、戦争の悲惨さを伝えるには充分過ぎる程の内容と思うかは貴方次第です。

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