ごくせん 第2シリーズ 最終回 最後の卒業式 ヤンクミはどうなる?あらすじ・ネタバレ

 

ドラマ「ごくせん2」第10話のあらすじ・ネタバレについて紹介します!

第10話「胸張って卒業しろ! ヤンクミと3年D組、涙の別れ」

[あらすじ・ネタバレ]

卒業式4日前。

猿渡教頭(生瀬勝久)は教師たちを前に「今年の卒業式は、4月から新しく生まれ変わる新生・黒銀学院への橋渡しのセレモニー。非常に多くの来賓の方々がお見えになります。」と伝える。

黒川理事長(井上順)は久美子(仲間由紀恵)に「あと4日で卒業式。決して油断せず、生徒達を最後までしっかり監視して下さい。」と釘を刺す。

「監視なんてしなくてもヤツラは大丈夫です。
みんなちゃんと卒業するって意気込んでいますから。」

余裕の笑顔を見せる久美子に、理事長は「そうですか。」と笑みを浮かべる。

その笑みの裏側には…。3Dの教室。

「え~、今日は、卒業式の練習をします。」久美子の言葉に
「え~~~!!」3Dは大ブーイング。

「そんなのやる必要性ないって~」と土屋は言うが、「お前達が立派に巣立っていく晴れの舞台。しっかり練習して、シャキーンと決めたいじゃないか。」と久美子。

「3年D組、入場。」久美子の言葉を合図に入場する生徒達。

「ダラダラ歩くんじゃない! こらっ!来賓の方々にガン飛ばしてるんじゃないよぉ!運動会じゃないんだから、そんなに大きく手~振らなくっていいからぁ。」

「一度にあれこれ言われてもわかんないんだよーっ!!」と日向。

「普通に歩くことが、そんなに難しいのか!?」呆れる久美子。

「続いて、校歌斉唱。」指揮を取る久美子。だが誰も歌いださない。

「お前、校歌知ってる?」と矢吹。「いや、知らない。」と小田切。

「校歌なんて、あったっけ?」と武田。

「あるだろぉ!…っと、私も知らないや。」とヤンクミ。

「卒業証書、授与。3年D組代表・矢吹隼人。」

卒業証書を読み上げる久美子。

それを覗き込み、片手で「どうも!」と奪いとる矢吹。「ちゃんと両腕で受け取って、頭を下げる!」久美子に注意され、今度は両腕で受け取り、上向き挨拶、
そして生徒達に「欲しいやつーーー!」と変に盛り上がる始末。「こんな調子で卒業式、大丈夫かー!?」不安を隠せない久美子。自宅に戻った久美子は祖父と酒を飲み交わしながらその日の話をする。
「近頃は、成人式でも、好き勝手に騒ぐやつもいるって言うからな。」

祖父の龍一郎(宇津井健)は笑いながらそう言う。

ミノル(内山信二)は久美子に、「卒業式に着ていく服は、もうお決まりですか?」と尋ねる。

すっかり忘れていた久美子。

「でしたら、是非これを着てやっておくんなせぇ。」

ミノルが用意したのは、ピンクと白のフリフリドレス。

「卒業、おめでとう!」とミュージカル風に決める久美子(想像)。

「ちょっとコレは無理かな…。」と久美子。

「キツイよね。」とミノル。

「おーいっ!」「すいやせん!」てつ(金子賢)が用意したのは、真っ赤なパーティードレスと白いファー。

「どう考えてもあり得ね~。」

「だよね~。」とてつ。

「おいーっ!」「すいやせん!」若松らがシゲルに「例のものを!」と用意させる。

「大江戸一家・4代目のお嬢と言えば、やっぱり」

「和服は着ないから!」久美子、見る前に却下!そんな様子をにこやかに見つめる龍太郎(宇津井健)。「おひさしぶりぶりー。」

刑事・鬼島(高杉亘)は、小田切(亀梨和也)、矢吹(赤西仁)、土屋(速見もこみち)、武田(小池撤平)、日向浩介(小出恵介)を訪ね、夕べ脱走した工藤(小林且弥)の居場所を知らないか、尋ねる。

「お前ら、卒業前に、よからぬ計画考えているんじゃないだろうな?」5人に疑いの目を向ける鬼島。

5人は立ち上がり、「知らない!」とキッパリ答える。

鬼島はそれを聞き、帰っていく。

パトカーが去ったあと、暗闇に工藤の影…。

通勤路を、カバン振り回し、鼻歌まじりにご機嫌モードな久美子。

背後から九條(谷原章介)がやってきて声をかける。

「今日、お時間ありませんか?折り入って、お話したいことがあるんですが。」

「九條先生から誘ってきたんですかー!?それって、もしかしたら、告白されるかもしれませんよ?

九條先生、北海道にある、桃が丘女学校の系列学校に赴任するんですって。」

これはチャンス!転勤する前に告白するのかも!?と白鳥(乙葉)。

九條の転勤に一喜一憂する馬場(東幹久)。

いつの間に、久美子の恋の応援をする白鳥先生!「はいっ!これが式次第だからねぇ! 卒業式は午前9時開始だから、遅刻しないのよぉ!」

乙女モードな久美子に3Dは唖然。

「山口先生、僕は、初めて会った時から」いきなり、九條に告白される妄想突入な久美子。

「ヤンクミ!?」生徒は声をかけるが、「ヤンクミじゃなくて、久美子って呼んでください1」

「久美子…!?」「はいっ!!」振り返り、我に帰る久美子。

「プリント配りながら夢見んな!」と小田切。

「はいっ!!」恥ずかしそうに教卓に戻る久美子。

てつとミノルのたこ焼き屋で、久美子は九條とのデートを告白。

ショックで放心状態のてつ。

「お嬢と、九條…」と繰り返す。

一緒にたこ焼きを食べていたクマは「がんばれよ!」と久美子を送り出す。

その日の夜。

久美子と九條の告白現場をマスクとサングラスで変装した白鳥と馬場が様子を見守る。

「もう、今日しかお話する機会がないと思って。」九條が切り出す。

「ついにキタキタキター!」ガッツポーズの久美子。

「あの、実は、お話したいことというのは…実は、北海道の学校に転勤することになったんです。」

「え、ええ。白鳥先生から聞きました。」

「そうだったんですか。夏休みにでも、是非遊びに来てくださいね。」

九條の話は、それだけだった。がっかりする久美子。

だが、白鳥の最後のチャンス、という言葉を思い出し、自分からコクるしかない、ファイトーッ、オォー!と気合を入れる久美子。

「実は、私からもお話が…。あの~、その~…。実は、初めてお会いした時から…九條さん、九條さん、私は、九條さんのことが…」好き、と言おうとしたとき久美子の携帯が鳴る。武田からだ。

「え!?けんか!?」

店を飛び出し武田たちの元に駆けつける久美子。

「おめぇら!」だがドアを開けると、楽しげに食事をしている5人衆。

久美子は電話をしてきた武田に事情を聞くと、「『酔っ払い同士のケンカを止めた』って言ったの。」

「そしたらそのヨッパライが、、お礼だって言って金くれてさ。」

「それでヤンクミに相談の電話をしたってワケ。」

「人の話はちゃんーっと最後まで良く聞こうね。」生徒達に注意される始末…。

その帰り道、5人の前に工藤たちが現れる。

「へ~。卒業式か。お前らのおかげでえらい所にぶち込まれた。た~っぷり礼させてもらおうと思ってよ。」工藤が矢吹に掴みかかる。その時、警察が通りかかる。

工藤は「お前ら無事に卒業出来ると思うなよ。」と言い残し去っていく。

翌朝。鬼島刑事が学校に、工藤が逃げたと報告しにくる。

生徒達に変わった様子はないか、久美子に尋ねる鬼島。

「私は、工藤がお宅の生徒達と接触する可能性があるんじゃないかと
考えている。

ヤツはパクられたのは、山口先生と矢吹たちのせいだと、かなり恨んでいましてね。それと、一部の生徒が実は仲間なんじゃという疑惑も、まだ消えてないもんでね。」

久美子を睨みつける鬼島。

「ふざけたこと言わないで下さい。」と言う久美子の言葉を鼻で笑い、「まあ、そういう訳なんで、充分注意して下さい。我々も、一刻も早く逮捕するべく全力をあげますんで。アディオス!」

そう言い、帰っていく。

「やはり、クズはいつまでたってもクズということですね。工藤という生徒は、我が校の汚点でした。今の、3年D組と同じようにね。」と理事長。

「残念ですが、ああいう連中は、我々がいくら熱心に指導しても、変わりはないんでしょうね。だからこそ、我が校は4月から生まれ変わるんです。」と猿渡。

「そう。ダメな生徒は切り捨てて、選ばれた優秀な生徒だけを
徹底した管理と指導によって教育することが、一番いいんですよ。」

「切り捨てていい生徒なんか一人もいません!」理事長の言葉に、反論する久美子。

理事長の顔色が一瞬変わる。

「山口先生、あなたが理想を持つのは自由です。ですが、私の方針に従っていただきますよ。我が校の教師でいる限り、ずっとね。」久美子を睨みつける理事長。

教頭は理事長に
「工藤が、3Dの連中とトラブルを起こさなければいいんです。」と言うが、理事長は「ですが、起きた方が私には好都合…かもしれませんがね。」と不気味な笑みを浮かべる。

3Dの教室に行くと、久美子は大森たちが工藤にやられたことを知る。

矢吹たちも久美子に、夕べ工藤に会ったことを報告。

「そういえばあいつ、なんか変なことを言っていた。矢吹たちによろしく伝えてくれって。」

「工藤の狙いは俺達なんだよ。」

「アイツ言ってた。無事に卒業出来ると思うなよって。」

5人の言葉にいらだつ3D。

久美子は、工藤を見かけても絶対に相手にするな、とみんなに言う。

「卒業式は明後日なんだ。もうすぐで卒業なんだ。わかっているな。」久美子は生徒達に念を押す。

久美子が自宅に戻ると、なんと、猿渡が久美子を訪ねてきていた。

猿渡は、テツたちの視線を意識しながらも、
「どこかへ行こうとしていたようですが、工藤を探すつもりでいらしたんじゃないですか?」とぼける久美子。

「私の目は節穴じゃありませんよ。」猿渡の言葉に、生徒達を放っておけないと久美子は言う。

「そういう行動が、理事長の逆鱗に触れるんです。理事長は、あなたがここの孫娘だとういうことをご存知なんですよ。手違いで、あなたを我が校に呼んでしまったのは私ですが、
理事長は、あなたの素性を知りながら、いや、知っていたからこそ、3Dの担任を任せようとしたんです。あなたなら、あの連中を牛耳れるはずだと。しかし、あなたは3Dを牛耳るだけでなく、理事長に対してことごとくたて突くようになった。

理事長はね、あなたが目障りでしょうがないんですよ。今度何かトラブルがあったら、あなたをクビにするでしょう。理事長は、どんな些細な理由でもこじつけて、クビにするつもりですよ。」

と忠告する。理事長の方針に従うことは出来ない、と久美子。

「教師がクビを怖がってちゃ、生徒達守れませんから。」

久美子の言葉に「少しはご自分の身を守ったらどうなんですか。」と心配する猿渡。

『目障り』『クビ』と言う言葉を聞いた時、てつやミノルに凄まれ焦る猿渡。

そしててつ達が去った後、急に足を崩す猿渡。

秋山と桜庭が人質にとられたと、浜口たちから聞かされる3D。
歩き出す矢吹を止める小田切。

「わかってる!ヤンクミとの約束のことだろ?」と矢吹。

「約束って何だよ?」他の生徒たちに聞かれ、「卒業するまでケンカしないって、ヤンクミと俺達と約束したんだ。」

「全員揃って卒業するためにな。」

「けど仲間見捨てられないだろ。」

「竜!行こうや。ケンカしなきゃいいんだからさ。」

「工藤たちと話し合ってみようぜ。」4人の言葉に頷く小田切。

「俺も行くよ!」口々に言い出す3Dに「お前らは来んな!」と矢吹。

「これ以上お前達を巻き込むワケにはいかないんだ。」と小田切。

「ちゃんと話つけてくるから。」と矢吹。そして5人は、秋山たちの救出に走り出す。

その姿を見かけたクマは、久美子に連絡する。

5人が約束の場所に駆けつけると、そこにはボコボコに殴られた秋山と桜庭の姿があった。

「二人を返してくれ。」という5人に、「お前らに礼が済んだらな。」と工藤は矢吹に殴りかかる。
「どうした、かかってこいよ!」工藤は言うが「俺達アンタとケンカするつもりないから。」と小田切。「面白いこと言うじゃね~か。」小田切を殴る工藤。「ヤンクミと約束したんだよ。もうぜって~無駄なケンカはしないってな。」と日向。

「おぉ、あの先公か。なるほど。先公の言うことをよく聞くイイコちゃん達ってワケか。」

日向の腹と顔を殴る工藤。「頼む。勘弁してくれ。」と言う武田にも工藤の2発。

「俺はな、黒銀退学になったんだよ。なのになんでお前らだけのうのうと卒業出来るんだよ。おい、教えてくれよ!お前らだって俺と同じ落ちこぼれだろ~が。」

次々と殴り倒す工藤。殴られても立ち上がる5人。

「そんなに先公との約束が大事か?」工藤に言われ、「ああ。」と矢吹。

「先公なんて、口先だけの生きもんだろう。」「そんなことねぇよ!」と土屋。

「先公の言うことなんて信じてるんじゃねーよ。」

「俺達はヤンクミを信じてるんだよ。」と日向。

「ヤンクミは、ぜってぇ俺達を裏切ったりしねぇんだよ。」と武田。

「美しき師弟愛か。笑わせるんじゃねぇぞ。」「笑いたきゃ笑えよ。」と矢吹。

「どうせあんたにはわかんねぇよ。」と小田切。

「上等だよ。せいぜい先公との約束、守ってりゃいいだろう!こっちは好きにさせてもらうからよ。」工藤は手下に合図をし、5人は無抵抗なまま殴られ続ける。

そこに、3Dの生徒達が駆けつける。

「やっぱり放っておけねえんだよ。」

「見捨てられっかよ!」そう言い、乱闘に加わる生徒たち。

「よせっ!」「やめろっ!」5人の必死の静止は届かず。

「工藤、頼む。もう止めさせてくれ。」

工藤は、そう頼む小田切を殴りつける。

小田切は、起き上がれなくなっても工藤の足にしがみつき、止めるよう頼む。「むかつくんだよっ!何が先公だよっ!何が卒業だよっ!」

工藤は鉄パイプを握り締め、小田切に殴りかかろうとする。

矢吹が気付き、止めようとするが手下に押さえつけられ動けない。

工藤が鉄パイプを振り上げた、その時!「それ以上手を出すんじゃねぇ!」ヤンクミ、登場!
「ヤンクミ…」3Dの生徒全員が呟く。

「お前ら…」と久美子。

そして久美子は、工藤を怒りの込もった目でまっすぐ見つめる。「私の大事な教え子を、よくもここまで。」「何が大事な教え子なんだ。きれい事言ってるんじゃねーぞ。

てめーら先公にとっちゃ、俺やこいつらみたいなのは目障りなお荷物だろうが!」と工藤。

「こいつらとお前らを一緒にするんじゃねぇ。…工藤、潔く警察に出頭するんだ。お上の世話になるようなことをやって、挙句に脱走して、
ずっと逃げ続ける人生を送るつもりか?」

「説教なんかしてんじゃね~よ。」そう答える工藤。

「どうしても、素直に出頭する気はないのか?」

「てめぇにまだ礼してねーからなぁ!」工藤は意気込む。

「そういうことなら仕方ね~な。」ヤンクミ、戦闘モード突入。

メガネを投げ捨て、髪をほどき、1歩1歩工藤に近寄る。

「私は、かわいい教え子のためなら、手加減しないよ。」
「グダグダ言ってんじゃね~ぞっ!」飛び掛る工藤を軽く交わす久美子。

工藤の一瞬の隙をつき、あっという間に倒してしまう。

次々とかかって来る手下を、武器も使わず倒していく。
そして再びかかってくる工藤を捕まえ「先公を恨んで学校を恨んで、それでお前は、幸せになれんのかよ?」工藤の振りかざす鉄パイプを押さえ、

「いつまでもお天道さまに、背中を向けて生きてんじゃねーよ。

人間ってのはなぁ、お天道さまに胸張って、顔を上げて生きていくもんなんだよ!」

「うるせぇ!」抵抗をやめない工藤。

久美子の拳が工藤の顔面すれすれで止まる。恐怖で座り込む工藤。

逃げ出していく手下達。

「お前ら、逃げるなぁ!戻ってこーい!!ちきしょーーーっ!!」工藤の声が悲しく響く。

その時、猿渡教頭から通報を受けた警察がやってきた。

「お宅も、無茶なことをしますね。」鬼島の言葉に「すいません。」と頭を下げる久美子。

「いえ、面倒をかけました。」鬼島は久美子に挨拶し、工藤を連行していく。

その時、
「工藤!」久美子が語りかける。

「もう逃げるな。人生ってのは、その気になりゃ、いくらでもやり直せるもんなんだ。」

振り返り久美子を見つめる工藤。久美子は続ける。

「いいな。どんなに苦しくても、絶対に逃げるな。」

うつむく工藤に、鬼島が声をかける。

「お前も、あんな教師や仲間に出会えてたら、道を踏み外すこともなかったのかもしれないな。」お互いを支えあう3Dの生徒達を見つめる工藤。

「アディオス!先生」久美子にも声をかけ、鬼島たちは帰っていく。

「ごめんな。」約束破ったことを謝る生徒たち。

「みんな、俺と桜庭を助けようとしてくれただけなんだよ。みんなは悪くないんだ。」

そう言う秋山の言葉に、「わかっているよ。お前らみんな、私の自慢の教え子だからな。」

久美子は優しく微笑む。

『脱走中の少年逮捕地元高校生と大乱闘の末不良グループ同士の抗争か?』新聞記事を手に、まずい事になったと職員室は大騒ぎ。

白鳥と馬場は3Dを庇うが、他の教師らは
「理事長はそうは思わない。黒銀の名前が新聞にこんな形で出ることが一番嫌うでしょうからね。」

理事長室では、猿渡教頭、犬塚教師を前に「もう少し、早く処分すべきでした~ね~。」と頭を抱えていた。

3Dの教室。落ち込む生徒達に「揃いも揃って、いい男が台無しだな。」と声をかける久美子。

そこに理事長たちがやってきた。「とんでもないことをしてくれましたね。」

「理事長、申し訳ありませんでした。ですが新聞の記事だけを鵜呑みにしないで下さい」

頭を下げる久美子の言葉を遮り、続ける理事長。

「乱闘があったことは事実です。」

「あんなチンピラの呼び出しに応じたら、どういうことになるか予想は出来たはずです。」と犬塚教師。

「気持ちはわかりますが、友達のためなら乱闘してもいいという考えは、暴力を肯定することにも繋がりかねません。」と猿渡教頭。

「あれは、暴力ではありません。」必死に訴える久美子。

「君達の乱闘行為は、高校生としてあるまじきものであり、我が校の名誉を、著しく傷つけた。よって、全員、退学!」処分を下す理事長。

「退学?ちょっと待ってください。明日は卒業式なんですよ?
それに、就職が内定している生徒達も大勢います。どうか、退学だけは勘弁してやってください。お願いします!!」久美子は理事長に頭を下げるが、「残念ですが。」と理事長。

猿渡も
「さすがに、今度ばかりはやむを得ませんね。」と厳しい表情。

教室を出ていこうとする理事長らを久美子は呼び止める。

「待ってください。私が、責任を取ります。全ては、生徒達を指導しきれなかった私の責任です。」

「なるほど。つまり、責任を取ってお辞めになるということですか?」「はい。」と答える久美子。

「いいでしょう。」と理事長。「ヤンクミ、何言ってるんだよ。お前は何にも悪くね~だろうがよっ。」

立ち上がり騒ぎ出す生徒達に久美子は「静かにしろ!」と一喝。

「生徒達はちゃんと卒業出来るんですね?」理事長に確認する久美子。

「もちろんです。」笑顔を見せる理事長。

「ありがとうございます。」久美子は理事長に礼を言う。

「ちょっと待てよ!」「そんなのおかしいだろう!」久美子は騒ぎ出す生徒を黙らせる。

「山口先生、本日付で、退職ということでよろしいですね?」「はい。」と答える久美子。

「君達も、山口先生に感謝して、明日の卒業式は、高校生らしい態度で臨みなさい。」

教室を満足げに後にする理事長。猿渡は久美子を見つめ、そして出ていく。

「何で?勝手なことしてんじゃねーよ。なぁヤンクミ!!」

矢吹の叫びに「これでいいんだよ。」と久美子。

「どこがいいんだよっ!」と小田切。

「全然よくね~よっ!」と土屋。「こんなんじゃ納得いかねーよっ!」と日向。クラス中大騒ぎになる。

「ヤンクミ辞めることねーって!俺達が全部悪いんだよ。」と武田。

「約束してくれたよな。私の夢を叶えてくれるって。お前達を、全員揃って卒業させるっていう、私の夢を。」静まり返る3D。笑顔を見せる久美子。

机の上に置かれた退職願を見つめ、嬉しさの余り自分の拳をかじる理事長…。

自分の荷物をまとめる久美子。

「本当に辞めちゃうんですか?」心配そうに声をかける白鳥。

「何もここまでして生徒を庇う必要ないでしょうに。」と犬塚。

「もともと3月までの約束でしたから。」久美子はそう言うが「でも、明日は卒業式じゃないですか。」と馬場。

「何とか…ならないですかね。」と亀山。

「せめて、あと1日くらい…。」と猪又。

「ちょっと、厳しすぎますよね。」と鰐淵。

それぞれの思いを口にする教師達に、「ありがとうございます。でも、自分では納得していますから。短い間でしたが、お世話になりました。」と久美子。

「お疲れ様でした。」教師たちも頭を下げる。

久美子は猿渡の机に行き、「お世話になりました。」と挨拶。

「あなたにはほとほと、呆れましたよ。」と言う猿渡もどこか寂しげで。

九條は久美子が黒銀を辞めたことを知り、「山口先生らしいですね~。生徒を守るなんて。」そして久美子の方を向き、「僕も、そういう教師になりたいと思っています。」と言う。

「お元気で。」差し伸べられた手を握り、久美子も「お元気で。」と挨拶する。

部屋で一人、クラスの写真を見つめる久美子。そこへ祖父がやってきた。

久美子は思わず、写真を裏返す。「おじいちゃんはな、久美子の出した答えは間違っちゃいねぇと思うよ。お前は、生徒さん方を守ったんじゃねぇか。
もっと、自信もちゃいいんだよ。おじいちゃんはな、久美子のことを誇りに思っているぜ。」

庭から取ってきた花を生けながら、そう優しく語る祖父に久美子も笑顔を見せる。

そして、ひっくり返した写真たてを、また見つめる。

その頃、3Dの生徒達はヤンクミの処分を悔しがっていた。それぞれが抱える思いは…。

卒業式当日。空になった久美子の席に目をやり、寂しがる白鳥。

「山口先生も見たかっただろうな。3Dの卒業式。」馬場の言葉に頷く教師達。

そこへ理事長と教頭が教師らに挨拶。「多くの来賓たちがお見えになりますから、くれぐれも」

その時、3Dの生徒達が職員室にやってきた。

「まさかお礼参り!?」教師の不安をよそに「頼みがあるんだけど。」矢吹が切り出す。

「ヤンクミのクビを撤回してほしい。」小田切が続ける。

「頼むよ!」口々に言い出す3D。
「責任は俺達にある。」と矢吹。

「だから、俺達が退学する。」と小田切。

「それでいいだろう?」と土屋。

理事長は「ばかなことを言うんじゃない!」と一喝。

「ヤンクミのクビを撤回しないんだったら、俺達は卒業式には出ねぇ。」と日向。

「頼むからヤンクミをクビにしないでくれ。」と武田。

生徒達に詰め寄られ、理事長は声を荒げる。

「あんなハンパな教師一人、なんだって言うんだ!」

「アイツはハンパな教師なんかじゃねーよ!」と矢吹。「アイツはっ!!(めずらしく声を荒げる小田切)
俺達をマトモに扱ってくれた、初めての先公なんだよっ。」

生徒達の真剣さに押され気味の教師達。

「どうしても、卒業式に出ないって言うのか?」

理事長の言葉に「あぁ。ヤンクミのクビを撤回しないなら、俺達は、卒業式には出ない。」

「返事、教室で待ってるから。」そう言い、帰っていく3D。

理事長は怒りで机に拳を叩きつけ、「やつらの脅しに屈するわけにはいきません。このまま、卒業式を始めるしかありませんね。」と言い、式場に向かう。

一方、電話を見つめる猿渡は…。

久美子の携帯が鳴る。

猿渡教頭からだ。「3Dの生徒達が、卒業式をボイコットするようです。自分達が退学するから、あなたのクビを撤回するように要求をつきつけてね。私が言うのも何なんですが、これは、あなたが望んでいたことではありませんよね。」と言い、電話を切る。

「ふざけたまねしやがって!」と言う久美子に祖父たちは「行って来い!」と声をかける。

「うん!」久美子は頷き、そして走り出す。

卒業生入場。3D不在のまま、卒業証書授与式が始められた。理事長は挨拶の席で

「もうお気づきのこととは存じますが、本日、3Dはあのように空席となっております。3Dの生徒達はもともと、何かと問題の多い生徒達でした。2日前には、新聞沙汰になるような乱闘騒ぎを起こし、挙句、
卒業式当日になって、この有様です。

非常に残念ではありますが、ダメな生徒はいつまでたってもダメだという現実を改めて、突きつけられた思い出ございます。

4月からの我が校は、こんな生徒達を一切排除し、優秀で勤勉な
生徒達が、心置きなく高校生活を送れる環境を、全力で作り上げていく所存です。」と語る。

そんな中、久美子は3Dに到着。「てめ~ら、何やってんだ!さっさと体育館に行かねーか!」

「意味ねーんだよ!お前のいない卒業式なんか!」と矢吹。

「ふざけたこと言ってるんじゃ」

「マジで言ってんだよ!お前がいなかったら、俺学校に来ていなかった。」と小田切。

「俺も。とっくに退学になっていたはずだ。」と土屋。

「俺なんか、犯罪の片棒担いでいたかもしんねぇ。」と日向。

「俺も。ずーっと弱くて、卑怯なままだったと思う。」と武田。

「俺、ヤンクミのおかげで初めて、学校が楽しいって思えた。」と藤波。

「俺も!」「俺も!」と3D。「ヤンクミがいたから俺達ここまで来れたんだよ。」

「だから卒業するならお前に、ヤンクミにちゃんと見届けて欲しいんだよ。」

「俺らそう思って、ずーっとがんばってきたんじゃねーかよ。」

「ヤンクミのクビと引き換えの卒業なんかな、嬉しくも何ともねーんだよ!」

「それなら退学で上等だよ!」

「問題を起こしたのは俺達なんだ。俺達が責任取るのが筋じゃねーのかよ。」

「わかった風な口たたいてるんじゃねーよ。お前ら、自分で稼いで高校通っているのか?親が、汗水たらして稼いだ金で通ったんじゃねーのかよ!それを無駄にするっていうのか?お前達の高校生活を、親御さんたちがどんな思いで毎日支えていたと思ってるんだよ。」

その頃、体育館では卒業証書授与が始まっていた。久美子は続ける。

「いいか。卒業するっていうことは、お前達が思っている以上に、もっと大きな意味があるんだ。だからこそ卒業式ってもんがあるんだ。卒業式っていうのは、お前らにとっては退屈かもしれねぇ。つまらないかもしれねぇ。

けどな、卒業式っていうのは、お前らを育ててくれた親に感謝する儀式でもあるんだ。親父さんやおふくろさんたちが、お前らをここまで立派に育てたんだって胸張る儀式でもあるんだよっ!わかるだろう?」

「あぁ…。でも…。」と矢吹。

「ヤンクミ…クビにしてまで俺達…。」と小田切。

「まだわかんねーのかよ!お前達の卒業には、私のクビをかけるほどの価値があるんだよ!クビになってもいいって思える教え子を持てるなんて、
こんな嬉しいことはねぇんだよ!だから、お前達には、胸張って、堂々と卒業してほしいんだよ。」

久美子の言葉に立ち上がり、「出ようぜ。」と矢吹。

「胸張って、みんなで卒業証書を一緒に受け取ろうぜ。」と小田切。

生徒達は全員立ち上がる。
ヤンクミを先頭に、体育館へと走る3Dたち。

ドアを開けると、丁度卒業証書授与が終わろうとしている所だった。

「待ってください!」ヤンクミと生徒達の姿に、「今頃何ですか!あなたはもう、我が校を辞めた人ですよ。」と理事長。

「申し訳ありません。生徒達を、出席させてあげて下さい。」と久美子。

ざわめき出す会場。「あなたの出る幕じゃない!!」声を荒げる理事長。

が、猿渡に「言うことを聞いておいた方が、余計な混乱を招かないのでは。」と言われ「早く席に着きなさい。」と彼らを受け入れる。

「いいな、しっかりと胸張るんだぞ。」生徒達を送り出す久美子。

「3年D組、27名。」猿渡は授与を続ける。

「はいっ!」「代表、矢吹隼人。」胸に一瞬手をやり、「はい。」と返事をし舞台に上がる矢吹。

理事長から卒業証書を受け取り、礼をする。会場から拍手が沸き起こる。

舞台上の猿渡は、久美子が一人会場を後にするのに気付き、「続きまして、退任される先生にご挨拶をお願いしたいと思います。山口先生。」と久美子を呼び止める。

「そんなの予定にありましたっけ?」と驚く教師達。

理事長の顔も曇る。猿渡に促され、舞台に上がる久美子。

「みなさま、私の未熟さゆえ、卒業式に不要な混乱を招いたことをお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。私は、黒銀学院を去ることになりました。でも、生徒達のこんなに立派な姿を見ることが出来何一つ悔いはありません。理事長のおっしゃるように、最初はどうしようもない生徒たちでした。

教師を教師とも思っていないし、口だけは達者だけど、考えも、行動もハンパなことばかり。何かっていうと、すぐ殴り合い。でも、誰かを守るために立ち向かおうとする心の強さはちゃんと持っています。親の思いにも気付き、きちんと向き合えるようになりました。まだまだ未熟なところは山ほどあるやつらです。

でも未熟なことは、悪いことじゃないはずです。

少しくらい、回り道してもいいから、少しくらい、大人になるのは遅くてもいいから、人の痛みをわかってやれる、本当の心の強さを持った真っ直ぐな人間になってくれればいい。

私は、そう思っています。

いいか。今、お前達が持ってる卒業証書。

ただの紙切れだと思うな。卒業証書には、お前達が3年間学んだことの重みが詰まってる。

勉強は出来なかったかもしれない。

けど、お前達は学んだはずだ。

大切な、大切なものを守るために歯を食いしばるってことを。

諦めないこと。逃げないこと。自分を信じること。仲間を信じること。

いつも、胸張って生きること。この3年間で学んだことを、忘れずに生きていってほしい。それから、もう一つ。これから先、辛いことや、苦しいこともあるだろう。

一人で抱えきれなくなった時には、思い出せばいい。

お前達には、仲間がいるってことを。そして、私がいるってことを。私はずーっと、お前達の味方だから。短い間でしたが、私は、彼らの担任になれたことを誇りに思っています。

ありがとうございました。」

涙を流しながら久美子の言葉を聞いていた生徒たち。

久美子のあいさつが終わると、一斉に立ち上がる。

そして、来賓と教師達に向かい「3年間、ありがとうございました。」

「ありがとうございました。」後ろに座る後輩と父兄たちに
「ありがとうございました。」「ありがとうございました。」

そして、舞台の上にいる久美子に矢吹は泣きながら「ありがとうございました。」3Dの生徒も全員、「ありがとうございました。」その様子を誇らしげに見つめる久美子の目からも涙がこぼれる。

猿渡を筆頭に、会場中が3Dの生徒達に拍手を贈る。理事長だけは憎憎しげな様子で会場を後にする。校門をくぐり、学校を振り返る久美子と3D。

「よーし、おめぇら!行くぞーっ!」「オーーッ!」みんな、最高の笑顔で走り出す。

「それじゃ、ここでな。」「あぁ」「じゃあな、ヤンクミ!」「元気でな。」

「ヤンクミ素敵すぎ。」「楽しかったばい。」「ヤンクミまたな!」「あぁ。またな!」「お疲れちゃん。」「いろいろありがとね!」「仕事がんばるからさ。」

「近いうちメシ食いに行こうぜ!」「今度一緒にキャッチボールしような。」「風邪ひくなよっ!」「あんまケンカすんなよっ!」「お前らこそ。じゃあな!」「忘れんなよ。」「バイバイ!ヤンクミ!」「本当に、ありがとな!」

「まじ、楽しかったぜ!」「サンキューな!ヤンクミ!」「仕事がんばれよ!」「お前らも、仕事がんばれよ!」「ちょー楽しかったよ。ありがと!」「俺、格闘家になる!」「ヤンクミ、早くイイ男、見つけろよ。」「うるせぇよ。じゃあな、お前ら~!」

「ヤンクミ、世話になったな。」と土屋。「ありがとな。」と日向。

「これからも、宜しくな。」と武田。「会えてよかったって、マジで思ってるから。」と矢吹。「ヤンクミは、俺達の自慢の先公だよ。これからも。ずーっとな。」「お前ら…。」

卒業証書を高らかに掲げ、「じゃあな!」走り出していく5人。「じゃあな、お前ら。元気でなー。」久美子は涙しながら生徒達の後姿をいつまでも見送った。そして、「よーしっ!ふぁいとー!おぉー!」と気合を入れ、久美子も歩き出す。

1ヵ月後。「やんばる学院高校」と書かれたメモを手に、一人歩く久美子。

どうやら道に迷ったらしい。その時、人を見つけ「すいません。この近くにやんばる学院高校というのがあると思うんですが。」と声をかける。

「私もね~ちょうどやんばる学院高校に行こうとしていたところなんですよ。」振り返ったのは、猿渡教頭!

「なんで!?…もしかしてクビになったんですか?」と久美子。

「違いますよ。自ら辞めたんです。
私はね、あの理事長とは教育方針が合いませんでしたからね。いいですか?次の学校へ行っても、くれぐれもご実家のことは」と猿渡。

「わかっています!」と久美子。

「それともう一つ。忠告ですよ。あなたどうせ、また、ろくでもないクラス任せられるんだろうから
覚悟しておいた方がいいですよ。D組ですよ、で~組!」

「猿渡教頭こそ、さっさと出世したらどうですか?」

「なっ!山口先生、次の学校でもまたジャージで授業するんですか?あなた、担当は数学でしょ?ジャージはおかしいでしょう?」

「ジャージのどこがおかしいんですか!」

「少しは女性らしい格好をしたらどうなんですか!」海に囲まれたまっすぐな一本道を延々と仲良く(?)語り合う二人だった。

以上、ドラマ「ごくせん2」第10話のあらすじ・ネタバレについての紹介でした!

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