ドラマ「エール」第60話のあらすじ・ネタバレについて紹介します!
[あらすじ]
嗣人はパリでなかなか認められず焦りを感じていた。一方で、環は思い切ってミラノまで受けに行った「蝶々夫人」のオーディションをきっかけに、
歌手になるチャンスをつかみかけていた。周りから環について聞かれることが多くなった嗣人は、素直に喜べず複雑な気持ちを抱えるようになる。
そして、ある日、環の人生を変える大きな知らせが届き……。
[ネタバレ]
環(柴咲コウ)は、オペラ歌手を目指してパリに留学中、1人の天才画家と呼ばれる嗣人(金子ノブアキ)と出会い、恋に落ちました。
お互いの夢への気持ちに刺激を受け、自分の夢に邁進する日々。
嗣人は個展が決まり、環は日本が舞台のオペラ『蝶々夫人』と出会いました。
環は、恐ろしいほどの大胆さで、イタリアに飛び、呼ばれてもいない『蝶々夫人』のオーディションに突撃しました。
そして、なんと第1次審査に受かったのです。
喜ぶ環と複雑そうな嗣人…一体どうなってしまうのでしょうか…。
さて、嗣人が待ち望んだ個展が開かれました。そして、一夜が明け…。
新聞を読んだ嗣人は苛立たしそうに部屋を出ていきました。
驚いた環は、その記事を読みます。
そこには…“ただただ凡庸。
すべてがものまね。若き日本人画家への期待は裏切られた。”
そう書かれていました。ある秋の日、イギリスからアダムという男が訪ねてきました。
舞台や展覧会をプロデュースする彼には、ある目的がありました。
アダムは嗣人に言います。
「イタリアでの2次審査は、残念でした。しかし、彼女には才能を感じました。紹介願えますか?ミス双浦に。」
「もちろん!」嗣人は、二つ返事で環を紹介しました。
詳しい話をといって、環を連れ出すアダム。
それを見ていた嗣人の友人(関口アナン)は、声をかけました。
「君の奥さん。最近、すごい話題だぞ!」
「妻じゃない。」
「なら、早く妻にしておいた方がいい。あのプッチーニが目を付けているらしい。」
「え?」
「ほら、例の『蝶々夫人』、自信作だったのに、初演…散々な評価だったろ?起死回生を狙って、日本人の役を日本人に…ってことらしい。あの外国人もそれできたんじゃないの?」
嗣人は、自分とは違い夢が手に届くところまで来ている環に、激しく嫉妬しました。
そして、深酒をし、環に尋ねます。
アダムの話は、何だったのかと。
環は、そんな複雑な嗣人の気持ちに気づかず、喜々として話をします。
アダムの用件は、友人からの話の通りでした。
環に、ロンドンのオペラハウスで行われる『蝶々夫人』のオーディションを受けないかという誘いでした。「どう思う?」「どう思うって?」
「受けていい?」
「当たり前じゃないか。大きなチャンスじゃないか。」
「まだ、先の話だけど、1ヵ月くらい行かなきゃいけないし…大丈夫かな?って。」
「大丈夫って何が?僕の何が心配なんだい?」
「……ううん。許してくれるなら。行く。」
「結婚してるわけじゃないんだ。許すもへったくれもない。行きたければ行けばいいさ。」
「嗣人…。」「何!?」「嬉しくないの?」
「嬉しいさ。嬉しいに決まってるだろ!?」
明らかにおかしい嗣人の態度に、環は気づきました。
声を荒げた嗣人との間には、何か大きな溝のようなものを感じるのでした。
そして、迎えた冬。
環は、すっかり留学中の日本人の間では、時の人ととなっていました。
みなが、環を恋人に持つ嗣人を羨ましがりました。
それも、嗣人にとっては、鬱陶しいものでした。
賞を取り、天才画家ともてはやされたものの、
個展での渋い評価を受け、すっかり自信を喪失していた嗣人。
一方、環は『蝶々夫人』のオペラハウス公演の最終オーディションに残っていました。
ロンドンには里子(近衛はな)が、陣中見舞いにやってきてくれました。
「自信はあるの?」「ある!…ない。ある!…ない。」
「どっちよ~」「どっちもない。ただ、楽しみなだけ。」
「3人まで残っただけでもすごいけど…。」
「でも、ここで負けたら一緒だから。」
「実はね。私も、昔バレエで世界を目指してたの。二十歳の時、諦めた。差別と体格差はどうにもならなくて。」
「里子なら、まだ目指せるよ!」
「気休め言わないで。」「ごめん。」
「正直悔しいの。あなたと私は違う。ごめんごめん!どうでもいいことだ!今、あなたの目の前にはオペラハウスがあるの!それをつかみ取る、それだけに集中して。」
「里子…色々ありがとう。」
「世界をぎゃふんと言わせて。」
その頃、パリでは、いつものカフェで嗣人は一人、手遊びに客の顔をスケッチしていました。
そこへ、マスター(ピーター・フランクル)がやってきました。
「君は画家なの?」
「はい。」
「僕も昔、画家を目指していたんだ。もしよかったら、このカフェで個展を開いてみない?」
「え?」「君さえよければ。」嗣人は、そんなマスターの優しさに、笑みをこぼしました。
部屋に戻ると、オーディションを終えた環が帰ってきていました。
「おかえり…。」「ただいま。今、逆だけど…。」「どうだった?」
その言葉に、思わず涙をこぼした環。それを見た嗣人は環を抱きしめました。
「また…チャンスはあるよ。」
「違うの…。合格したの…。私…オペラハウスに立つ!」環を離し、思わず笑いだす嗣人。
「どうしたの?…嗣人さん?」
「傑作だ!俺が、街のカフェで個展をやらないかって言われて、いい気分になってる時に、君はオペラハウスだ。バカみたいだ。何を喜んでるんだ!俺と君の何が違うんだ…。俺は…」
そういって、自分の絵にナイフを突き立て始めた嗣人。
環の悲鳴も耳に届かぬ程、嗣人は絶望していました。
「嗣人には才能がある。私は、そう信じてる。」「なぜわからないんだ。その優しさが人を傷つける。」
泣き崩れた嗣人は、自分に湧き出る黒い感情を吐露しました。
「君の…失敗を願っている。どんなに喜ぼうとしても…心の奥底から嫉妬があふれてくる。俺は…君といる俺が嫌いだ。君といると…どんどん嫌な奴になる。
俺は…君という光の影でいるのは…耐えられない。
環。歌を…歌を諦めてくれ。君を愛してる。頼む。頼む…。」
泣いて環に抱きついた嗣人を、抱きしめ返すことが環にはできませんでした。
一人、いつものカフェに飛び込んだ環。
閉店時間を過ぎていたであろうに、マスターは何も言わず招き入れてくれました。
環は、マスターに言います。「私は光でいたい。傲慢ですか?」
「自分に嘘をつくことが最大の罪です。それでいい。それが君の人生だ。」
そして、再び春を迎えました。新聞には、写真付きで環の事が大々的に報道されています。
“『蝶々夫人』が環によってよみがえる!オペラハウスに続き、ニューヨーク公演も成功!”
その記事を、嗣人はさみし気な笑顔で見つめていました。
以前、マスターと話したカフェでの個展を開いていると、1人の批評家が1枚の絵を譲ってほしいと声をかけました。
しかし、嗣人はそれを固辞します。
「すみません。この絵はダメです。」
「他の絵は凡庸だが…、これだけは素晴らしい。」
「ありがとうございます。でも、その絵はダメです。」
「そう。残念だ。僕は、君の事をこき下ろしたが、この絵が描けるなら、まだ将来性はあると思うが。」
「では、無理です。もう…そんな女性には巡り合えませんから。」
「そう…残念だ。」
その絵は、嗣人渾身の…『蝶々夫人』を歌う…環の絵でした。
以上、ドラマ「エール」第60話のあらすじ・ネタバレについての紹介でした!
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