2021年 東京オリンピック アーチェリー
中村美樹(なかむらみき)のプロフィール
生年月日 1992/09/12
血液型
身長/体重 162/74
出身地 山形県
出身校 日体大
所属 ハードオフ
主な戦績 14年世界室内選手権準優勝
運動の苦手な子が・・・
鶴岡三中に入学してすぐのこと。
新入生向けの部活動紹介で、先輩が矢で風船を割るパフォーマンスを披露した。
アーチェリーに興味があった中村は、それを見て入部を即決する。
「小学校の運動会はいつもビリだった」と母峰代さん(60)。
運動の苦手な子が続けられるのかと家族は心配した。
それでも「ちゃんと撃てば的に結果として出る。それがうれしかった」と、のめり込むのに時間はかからなかった。
部活動が休みの土曜日には地元協会が主催するクラブへ。「うまくなると言われたら行くしかなかった」と振り返る。
五輪へのあこがれを口にし始めたのもこの頃だ。ただ、本人は「取りあえず行けたらいいなという軽い感じ」といい、家族も「五輪を分かっているのかな」(峰代さん)と、誰も本気にはしていなかった。
中村は今、夢の実現まであと一歩のところまで迫っている。
3月の東京五輪代表2次選考会を2位で突破。
3枚の切符を5人で争う最終選考会に駒を進めた。
父秀明さん(64)は「ここまで来たら何とかたどり着いてほしい」と願う。
これまで全てが順調だったわけではない。
日体大時代の2014年、世界室内選手権で準優勝し
15年には同大で指導していたアテネ五輪銀メダリストの山本博氏(57)の勧めで、アーチェリー部の活動に力を入れているハードオフ(新発田市)に入社した。
その後も国際大会で活躍し、17年には世界選手権代表の座を射止めた。だが、大会後に不調に陥った。
蓄積した疲労が一気に噴き出したのか、練習に身が入らない。
食欲もうせ、夕食をサラダしか取れないときもあった。
状態を悪化させた先に待っていたのは、18年のナショナルチーム(NT)落選だった。
「気持ちを切り替えなきゃ」。
大学時代からの練習拠点の横浜を離れ、鶴岡への帰郷を決断した。
18年3月末に相談を受けたハードオフの山本善政会長はすぐに新たな勤務先を用意。
4月半ばには、原点ともいえる小真木原の広場で再スタートを切った。
高校時代に指導を受けた鶴岡南高教諭の野崎剛さん(56)=新潟市南区出身=の下、練習を一から見直した。
母は食生活で娘を支えた。
体力と気持ちを充実させた中村は19年のNTに復帰、再び五輪出場を視野に入れた。
最前線で戦う合間に燕市や新潟市での大会にも訪れ
新潟の若い選手の手本となっている。
中村は「地元の鶴岡だからこそ」と支援の輪に感謝する。五輪で吉報を届けることが、何よりの恩返しになる-。
そう信じて今日も原点の地で矢を撃ち込む。
自己ベストは678点。
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