絶賛放送中のドラマ『アライブ がん専門医のカルテ』のパッキングって何?と
疑問に思ったのでかいてみました。
そもそもパッキングって何?
「packing=包む」だったら縫合のことでしょうか?でも縫っている感じではなく、押さえ込んで周囲の人は慌てています。
どうみても「ガーゼお願い」といって止血しているシーンです。
まずはもともとの意味からおさらいしてみます。
パッキング [0][1]【packing】
①荷造り。包装。
②破損を防ぐために荷物のすき間に詰めるもの。パッキン。
③管の継ぎ目などにあてて、気体や液体のこぼれるのを防ぐもの。パッキン。
④ラグビーで、スクラムやラックのとき、味方どうしがしっかりと組み合うこと。(weblio辞書より)
とありました。
②の「すき間に詰める」これでしょう。あーなるほど梱包のときに衝撃を吸収させる緩衝材とかほぼ日本語して使っているパッキンとかもこれ意味です。衝撃吸収材、まぁいわゆるプチプチなどです。
でもガーゼで止血する作業と何が違うのでしょう?
医療ジャーナルが読める 日本医療新報社のWeb医事新報(日本医事新報社)で調べてみました。今までの救命医療ではすべての外傷を修復することを優先させると、たとえ傷自体は処置しても命を救うことができないことが多かったようです。
そこで「ダメージコントロール術」という方法を用いると救命率が断然上がったとのことです。
腹部消化器外科でよく用いられる言葉のようです。
そのダメージコントロールって何??
(重症外傷に対するダメージコントロールサージェリー(DCS)) WEB新報 日本医事新報社より抜粋します。
出血や臓器の損傷が激しい外傷を負った患者に対して、危険な状態から”とりあえず”良い方向に向かわせるために行う手術です。
「出血や感染を防ぎ」→「生理学的異常を補正」→「再手術」だそうです。
言葉は悪いですが、一時しのぎや次の処置まで一応安定させる「つなぎ」というイメージを持ちました。
出血と汚染の確実な制御のみに集中しているので、ガーゼで圧迫止血したら、ガーゼを残した状態で開腹したままICUなどで治療をするというのは
一度にいろんな箇所を切り開いたりするより身体への負担も軽く感じます。
ただその程度ややり方は難しいらしくて、
今回腫瘍内科医の恩田心(松下奈緒)の作家希望の夫匠(中村俊介)のような「腹部コンパートメント症候群」といわれる症状になってしまう事例も多いようです。
お腹ってもともとなにか外部から入るようには出来てないのでガーゼでお腹の圧が上がり、心臓に血液がいかなくなって心拍数がどんどん落ちて「心拍低下」となる場合が多いのですね。
この場合ガーゼの量が多すぎたのでしょうか、抑える力が強すぎたのでしょうか?
なんにしてもTOO MUCH、やりすぎだったのでしょう。
医療ミスなの?
ただ、これは医療過誤なのでしょうか?
少なくとも点滴の薬間違えたとか患者を間違えたとかのミスと同レベルにするのはあまりにもひどい気がします。
それに、実際に責任を負うのはが、消化器外科医の梶山薫(木村佳乃)があそこまでトラウマになりるにはちゃんとしたガイドライン的な物があるのかもしれませんがやはり薫の元上司・須藤進(田辺誠一)の落ち度のほうが大きい気がします。
それを知っているからこそ薫に優しい言葉をかけたり、励ましたりしているんだと個人的には思っています。
薫も被害者?!
木村佳乃演じる梶山薫さんも被害者なのかも?と思われるシーンがありました。「25年前」とか「弁護士さんにお任せしております」だとか誰かが亡くなっただとかいうセリフがありました。
最初は薫の恩師かなにかか、と思いましたが薫の父親が被害にあった模様です。
そのことは25年前に医療過誤で薫の父親を死なせてしまった医師の同僚が訪ねてくることでわかります。25年前というと薫が学生時代でしょうか。
「謝罪する気があるなら、どんな方法でもできるじゃないですか」と憤る薫。どんな医療過誤があったのかはまでわかっていませんが、難しいと思います。
謝るってことは自分のミスを認めることで、それを補える何かがあるならまだしも、人の命に関わることでは謝ってもどうしようもありません。
謝ってもらうよりも怒りを吐き出す行為が必要なのかな、と思います。
訴えるとかそれこそ今回の薫のように誰かにぶちまけるなり想いの行き場を作ってあげるのが必要なのでしょう。
薫は25年間もやもやしていたのでしょうか?謝ってもらいたかったのでしょうか?
想像しただけでしんどいし可哀想です。
だから心にも告白して謝ったのでしょうが、謝罪って自分勝手な行為だよなーと今回つくづく感じました。
自分の中のもやもやした感情を消したいがための行為だと思います。
薫自身は父の担当医に謝ってもらいたかったのかもしれませんが、心は謝罪を求めていたでしょうか?
なにはともあれ今後も見逃せないドラマになりそうです。
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