新海誠監督のアニメ『天気の子』と『君の名は。』を比較考察してみました。

新海誠監督のアニメ『天気の子』

映画『天気の子』のあらすじ・ネタバレ・「君の名は。」との比較考察について紹介します!

[あらすじ]

「あの光の中に、行ってみたかった」 高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。

しかし生活はすぐに困窮し、
孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。

彼のこれからを示唆するかのように、
連日降り続ける雨。

そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。

ある事情を抱え、弟とふたりで
明るくたくましく暮らす少女・陽菜。

彼女には、不思議な能力があった。 「ねぇ、今から晴れるよ」 少しずつ雨が止み、
美しく光り出す街並み。

それは祈るだけで、空を晴れに出来る不思議な力だった…。

[ネタバレ]

病室で眠る母を見舞う少女がふと、窓の外を見ると雨が降る空から一筋の光がさしていました。

少女は何かに導かれるようにその光がさす場所へ向かうと、やがて廃ビルの屋上に立てられた祠へと辿り着きました。

そして、少女が祠の前に立つ鳥居をくぐった瞬間、彼女は遥か上空を漂い、そこで積乱雲の上に広がる草原や龍のように舞う細長い雲、魚のように宙を泳ぐ雨粒を目にします。

一方、16歳の高校生・森嶋帆高は故郷の離島から家出。

ひとり、東京に向かうフェリーに乗っていました。

フェリーは急激な降雨の影響で傾き、甲板にいた帆高は海に落ちそうになりますが、一人の男に助けられます。

同じく東京に向かっていた男は何かあったら自分を訪ねるようにといい、名刺を帆高に渡します。

そこには「須賀圭介」と書かれていました。

東京は異常気象に見舞われ、何日も雨が続いていました。

東京で早速バイトを探し始めた帆高ですが、身分証を持っていないが故に誰も雇ってくれません。
街を彷徨う帆高は、やがて警察官に声をかけられます。家出していることが知られれば、補導されると思った帆高は逃げ出します。

警察官から逃げ延び、雑居ビルの軒下に隠れてるうちに眠ってしまった帆高は、ビルの住人から追い出されます。

その際、彼は倒してしまったゴミ箱の中から紙袋にくるまれた拳銃を見つけてしまいます。

最初は驚いたものの、
ただおもちゃだろうと思った帆高は拳銃をそのままバックにしまいこみます。

所持金が乏しくなりファストフード店で毎夜を過ごす帆高に、そこでバイトとして働いていた少女がそっとハンバーガーを渡します。

店には内緒だと言う少女の厚意を受けた帆高は、須賀の元を訪ねる決心をします。

須賀の事務所を訪ねた帆高は、須賀とアシスタントの女性・夏美に無理やり須賀の仕事を手伝わされることになります。

須賀はフリーライターで、オカルト雑誌などの記事を書いていました。

執筆の腕を見込まれ、住み込み食事付きで働くことになった帆高はライターの仕事以外にも須賀や夏美の身の回りの世話をこなしていきます。

そんなある日、帆高は少女にまとわりつき、如何わしい仕事の話をする男たちの姿を見かけます。

その少女は以前、帆高にハンバーガーをくれた少女でした。

思わず少女の手を引いて駆け出す帆高ですが、すぐに男たちに捕まってしまいます。

馬乗りになって殴りかかってきた男に、帆高は鞄から拳銃を取り出し、男に向け引き金を引きます。

あたりに響き渡った轟音によって、自身が引き金を引いたそれが本物だと気づいた帆高。

幸い、弾は男に当たりませんでした。あまりの出来事に放心する帆高と男たち。

少女は帆高を連れ、廃ビルへと逃げ込みます。

少女は危うく人を殺すところだったと帆高を非難。

帆高自身も、自分が犯しかけた過ちの大きさに遅まきながら気づかされ、拳銃を投げ捨てます。

少女はファストフード店のバイトをクビになり、稼げる仕事がしたかったと明かします。

うつむく帆高に、少女はついてくるように促します。

屋上にある祠の前へと帆高を連れ出した少女は語りかけます。

「ねえ、今から晴れるよ」。

少女が手を合わせて祈ると、ぶ厚い雨雲が瞬く間に晴れ、あたり一面が日の光に包まれます。

陽菜と名乗る少女は、祈ることで束の間の晴れを呼ぶことのできる「晴れ女」でした。

後日、帆高は陽菜にネット上で依頼を募り、晴れを届ける「晴れ女ビジネス」を持ちかけます。

はじめは消極的だった陽菜も生活のためと決心。

WEBサイトを立ち上げると早速、依頼が舞い込んできます。

帆高と陽菜は、陽菜の弟の凪も巻き込んで依頼をこなしていきます。

陽菜の活躍がネット上で話題を呼び、次々と依頼がやってきますが、花火大会での依頼を受けた際
テレビに映ってしまったことで依頼が殺到。

帆高たちは既に受けた依頼をこなし、しばらく休業することにします。

帆高は依頼で訪れた老夫人・冨美の家で知り合った彼女の孫・瀧との会話の中で、陽菜の誕生日が近いことに気がつきます。

その頃、ある神社へ取材に向かった須賀と夏美は天気を治療する「天気の巫女」の話を聞きます。

帆高は陽菜へのプレゼントを求めアクセサリーショップへ向かい、悩みぬいた末、指輪を購入します。

不安な帆高は「もらった相手はうれしいはず」
と言う店員の言葉に背中を押され、次の依頼、最後の仕事が終わった後に渡そうと決意します。

訪れた週末。

最後の依頼はなんと、須賀が依頼したものでした。

彼の娘・萌花(もか)のために公園を晴れにしてほしいという須賀の依頼を果たした陽菜は
帆高、凪、須賀、萌花、夏美たちと楽しいひと時を過ごします。

須賀たちと食事をして帰るという凪を残し、陽菜を送る帆高はプレゼントの指輪を渡そうとします。

しかし、突如吹いた突風に視線をはずした帆高は目の前にいたはずの陽菜がいなくなっていることに驚きます。

陽菜の呼ぶ声に帆高は頭上を見上げると、そこには宙に佇み、雫が重力に逆らい、陽菜の周りを巡る異様な光景を目にします。

さらには、陽菜の体の一部が透けていのを目撃し帆高は驚きます。

地上に降り立った陽菜は帆高に晴れ女になったきっかけを話します。

陽菜の母親は一年ほど前に亡くなっており、その頃、廃ビル屋上の祠に光がさしているのを目撃、
その祠で弱っていく母を見てもう一度、母と晴天の下を歩けるようにと願ったときから晴れをもたらす力を手に入れました。

陽菜の部屋でシャワーを浴びながら考えをめぐらせる帆高は陽菜から隠れるように言われます。

警察が陽菜の部屋を訪ねてきており、警察は捜索願が出された帆高を探していました。

また、帆高には、以前、陽菜を助けようとした際に手にしていた拳銃が街頭カメラに写っており、銃器不法所持の嫌疑もかけられていました。

陽菜は帆高のことは知らないと答えますが、警察は、陽菜と凪は母親の死後、未成年二人で生活していたため、近く児童相談所の人間が保護しに来ることを告げ、去っていきます。

迫った危機に焦燥する帆高に須賀から連絡が入ります。

凪を連れ、陽菜の部屋の近くまで来ていた須賀は帆高に離島の家に帰るように言い、自分に帆高誘拐の嫌疑がかけられているため、二度と自分の元を訪れるなと言い去っていきます。

帆高が陽菜の部屋に戻ると、陽菜と凪は荷物をまとめ、部屋を出ようとしていました。

児童相談所に保護されると姉妹、離れ離れになると考えた陽菜はどこか別の場所で凪と生活しようと考えていました。

帆高は二人に同行する決意を固め、三人で東京を出ようとしますが、降り始めた大雨により交通機能は麻痺、やがて真夏にもかかわらず雪が降り出す異常気象に見舞われます。

三人はホテルを見つけ、休むことにします。

日付が変わった事を見計らい、帆高は陽菜に指輪をプレゼントします。

喜ぶ陽菜は不意に帆高に話し始めます。

陽菜は自分が人柱だといい、自分が犠牲になることで本来の気候が戻ってくるのだと夏美から聞かされたと明かします。

陽菜の話を信じたくない帆高は陽菜を必死で抱きしめます。

翌朝、眼が覚めた帆高は隣にいるはずの陽菜がいなくなっていることに気がつきます。

帆高は慌てて部屋の中を探しますが陽菜の姿はどこにもありません。

そこに警察官が突如入室、帆高は捕まってしまいます。

連行される帆高は雲ひとつ無い晴れた空を見て、陽菜が人柱になってしまったことに気がつきます。

陽菜を連れ戻したい帆高は、警察官の隙を突き、逃亡、
廃ビル屋上の祠にいけば陽菜に会うことが出来ると思い走り出します。

しかし、追跡する警察に追い詰められますが、バイクで駆けつけた夏美に窮地を救われます。

廃ビルに向かう帆高と夏美ですが、道路が水没おり、バイクが進めません。

先に行けと言う夏美に背中を押された帆高は廃ビルに急ぎます。

ようやく辿り着いた廃ビルでは須賀が待ち構えていました。

今すぐ警察に戻れば罪は軽いと説得する須賀ですが帆高は聞き入れません。

頑なに行く手を妨害する須賀にかつて捨てた拳銃を再び手にし、押し通ろうとしますが、警察が駆けつけます。

たちまち包囲される帆高はなりふり構わず屋上に向かおうとしますが、瞬く間に取り押さえられてしまいます。

それを助けたのは帆高の純情に感化された須賀と児童相談所から逃げ出した凪でした。

崩れ落ちる非常階段を駆け上り辿り着いた祠に強く祈る帆高の意識は遥か上空へ飛ばされ、雲の上の草原で陽菜と再会します。

そして、陽菜の手を取り、幾つもの雲をつきぬけ祠の前へ帰り着きます。

帆高の手はしっかりと陽菜の手を掴み、空は思い出したかのように雨が降り始めていました。

それから三年の月日がたち、高校を卒業した帆高は再び東京を目指します。

三年の間、雨は降り続け、東京はほとんどが水没していました。

一連の騒動の後、故郷の離島に戻された帆高は保護観察処分となり、帆高は陽菜にはそれ以来あっていません。

帆高は陽菜を連れ戻したことにより世界を変えてしまったことを心苦しく思い、
陽菜もまた同じ思いでいるのではないかと感じていました。

しかし、三年ぶりに陽菜を見た帆高はどんなに世界が変わったとしても自分が陽菜と生きていくと決めていたことを思い出し、二人は共に歩み始めます。

[君の名はと似ている部分の考察]

まず「君の名は。」「天気の子」となす通りタイトルの短さが似ています。

これは制作側の意図があるようで、わざと短いタイトルにしているとのことでした。

「君の名は。」から3年後にできたのが「天気の子」ですが、「君の名は。」に出てくる
青空を見ているとそこからインプレッイションを受けて「天気の子」とタイトルづけしたのかなと感じました。

また他にこの2作の最大の共通点として感じるのはストーリーの骨格・演出が「君の名は」と同じように感じました。

主人公同士で、名前を連呼し合う。

男が女を助けに行く。

オカルト的要素が入っている。

煙を跨ぐみたいな、古い儀式的な要素。

年齢が違った。どれをとっても「君の名は」のような雰囲気がたくさんです。

そして、安易に感動を呼ぼうと、
空中を舞いながら、ヒナに手を差し伸べるシーンなどもうかなり激似です。

感動の押し売り的な感じでしょうか?「君の名は。」で満足していた方は不満だったかもしれませんね。

以上、映画『天気の子』のあらすじ・ネタバレ・「君の名は。」との比較考察についての紹介でした!

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