ドラマ「エール」第62話のあらすじ・ネタバレについて紹介します!
[あらすじ]
久志(山崎育三郎)がなぜ音楽の道に進むことになったのか、そのきっかけについての物語。
学校ではクールにふるまっている10歳の久志(山口太幹)だったが、家では父の再婚で
新しくやってきた母・玲子(黒川芽以)になじむことができず、葛藤をかかえていた。
担任の藤堂先生(森山直太朗)は、ある日クラスの皆で歌っている時に久志の歌の才能に気づいて、
学芸会でその歌声を披露することをすすめる。
[ネタバレ]
「昔々、あるところに、新しい家族に馴染めないでいるちょっぴり大人びた少年がいました。」
それは、大正8年の福島でのことです。
福島に引っ越してきたばかりの一家は、お父さんとお母さん、そしてこのちょっぴり大人びた子どもの3人家族でしたが…。
「新しい学校は慣れたか?」
「お友達はできた?」
「玲子さんの心配には及びません。」
「久志、お母さんだろ?」
そう、こちらのお母さん…玲子(黒川芽以)は、久志(山口太幹)の父が再婚したのでやってきた…いわゆる新しいお母さんでした。
これは、久志がまだ裕一(石田星空)と出会っていない頃のお話です。
学校では、1人洋装の久志は、どことなく浮いています。
今日は、学芸会で歌う『ふるさと』を練習しました。
「今度の学芸会では、この歌を歌うぞ!みんな、一生懸命練習をして、お父さんやお母さんを驚かせよう!」担任の藤堂(森山直太朗)は、ふと久志に目をやります。
元気な子どもたちの中、1人浮かない顔をしている久志に気が付いたのです。
「佐藤!ちょっと…。君の歌、すごくよかったよ!今度の学芸会で、ちょっと独唱してみないか?」
久志の歌声に光るものを感じた藤堂は、久志に一部分を独唱してもらおうと考えたのです。
ところが…。
「この、『夢は今も』のところ…ってあれ?」
藤堂が楽譜に目線を落とした隙に、久志はいなくなってしまいました。
3年前、久志の両親は離婚し、母は出ていきました。
父が再婚したあとも、久志は母のことを忘れられずにいました。
母から届いた手紙を見つめ、うつむく久志。
そこへ、女中が入ってきて洗濯物を持ってきました。
早く仕舞うように言われた久志は、洗濯ものに向かいますが、女中が言ったのは、母からの手紙の方でした。
久志は、返してと叫びますが、女中は捨てられないようにするには、ここの方がいいと、別の仕舞う場所を教えました。
久志の気持ちもわかるのかもしれませんが、それに気が付いていて、手紙を処分しなければ、この女中の落ち度になるからです。
少しの思いやりと保身のような態度に、久志は嫌気がさしていました。
そして、新しい母・玲子と仲良くするよう強制されることにも嫌気がさしていました。
「奥様がおやつにはんぺんを作って、待っておいでです。着替えたら、居間に降りてきてください。」
「要らない。好きじゃない!」
「では、いい加減に、ご自分でそうおっしゃってくださいまし。」
「お母さんは、どこにいるの?」「…さぁ。」
「この町にいるんでしょ!?」
久志が指したのは、手紙に書かれた東京の住所ではなく、手紙に押された消印でした。
久志には、この手紙に書かれた東京の住所がフェイクであることなど、とっくに見抜いていました。
「もう3年になるんですよ!いい加減に跡取りとして…。」「教えてよ!」
久志の生みの母・麻友は、離婚を機に福島の実家に身を寄せていました。
母に会いたい。その一心で、久志は歩き続けました。
そして、やっと母・麻友の住む家を見つけました。一生懸命に声をかけます。
「何か用ですかな?」「こちらに住んでいる麻友という女性に会いに来たのですが…。」
「あ~…その人なら、随分前に引っ越しちまったなぁ…。」
「え?どこに?」「知らねぇなぁ。」
久志は、しょんぼりとその家を後にしました。“久志は我慢強い子。お父さんを支えて、立派な跡取りになってください。”そう書かれた、母からの手紙を何度も何度も読み返しました。
その時でした。ある女性が目に止まりました。
「お母さん?」駆け寄ろうとしたその時です。
「泣かなかったぁ?」母・麻友は、知らぬ男性と男性に抱かれた赤ちゃんに、笑顔を浮かべていました。
そう、母はすでに再婚し、新しい家庭を築いていたのです。
久志は絶望に打ちひしがれ、手紙を破り捨てて走り出しました。
自宅で一人、久志の帰りを待つ玲子は、降り出した雨と雷に気が付きました。
久志は、まっすぐ家に帰る気にはなれず…、しかし、久志が行けるところなど…他には、もう1つしかありませんでした。
学校の教室で、1人突っ伏していると、藤堂がそれに気づきました。
「佐藤!?どうした?」「…何でもありません。」
藤堂には、すぐわかりました。
びしょ濡れの久志が、何でもないわけないと。
久志を引き留めた藤堂は、教室のストーブをつけ、上着を椅子に掛け乾かすことにしました。
そして、その間寒くないようにと、久志に自分の上着を着せました。
「止まないなぁ…。どうしたんだ?佐藤?」
「何もなかった…。何かあると思ったのに…。何もなかった。」
久志は、たどたどしく言いました。
「そうか…。」藤堂は、久志に無理にしゃべらそうとはしませんでした。
「『うさぎ追いし、かの山』。佐藤も一緒に。『こぶな釣りし、かの川』」「『夢は今も、巡りて』」『忘れがたき、ふるさと』久志と藤堂の声がユニゾンしました。「やっぱり君、いい声してるよ。よし!こっちきて!もう1回、大きな声で!」
藤堂と歌を歌った久志は、雨が上がったのを機に、家に帰りました。
家に帰ると、すぐに玲子が飛んできました。
びしょ濡れの久志を心配し、でも自分の服が汚れるのも構わず、久志を抱きしめ背中をさすり温めようとしてくれる玲子を見て、久志は言いました。
「あの…」「何?」「はんぺん…まだありますか?…お母さん。」
「もちろん!」
久志はこの時、過去ばかりを見るのではなく、未来を見て歩こうと決め、その第1歩として、新しい母である玲子を受け入れることから始めたのでした。
そして、そのきっかけとなった藤堂と大きな声で歌ったこと…。
それが、ぐちゃぐちゃになっていた久志の心をほどいたのでした。
「藤堂先生には感謝してる。」
久志(山崎育三郎)は、裕一(窪田正孝)と鉄男(中村蒼)に、初めてその話をしました。
「聴きたいなぁ…久志のふるさと…。」
「いや、タダじゃだめだな。」裕一は、お代の代わりに酒を注ぎました。鉄男は、おでんの鍋からはんぺんをサービスしました。
その日、おでん屋の屋台には、久志の美声で紡がれる『ふるさと』が響くのでした。
以上、ドラマ「エール」第62話のあらすじ・ネタバレについての紹介でした!
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