死役所 9話
あらすじ
「とっとと答えろ!」と、
死役所にシ村(松岡昌宏)の絶叫が響きます。
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生前「加護の会」という宗教法人に入信していた
寺井修斗(柄本時生)から話を聞いていたときの出来事でした。
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両手の指で輪っかをつくるポーズは
「加護の会」信者の証、
シ村は必死で手がかりを探していました。
修斗は三流大学の4年生、
やりたい事も見つからずに就職活動もうまく行っていなかった。
一方、弟・恭平(濱田龍臣)は
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高学歴で医者になるという夢を持ち
活き活きと活動していたのです。
弟に強いコンプレックスを持っていた修斗はある日、
祖母に誘われ、
「加護の会」の代表・蓮田栄山(吹越満)の
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講演会に参加することにしました。
「俗世では弱い=悪としているがそれは間違っている」
そして
「弱さを持ったあなたが大好きです。」
という蓮田の言葉に修斗は耳を傾けます。
講演会の後、家族と話しをする修斗は、
ちょうどテレビに蓮田が出ていて
恭平は不信がるも修斗は肯定的でした。
将来を悲観している修斗に対して
恭平は「いつまでも逃げいたってどうする」と
厳しい言葉をぶつけます。
翌日、修斗は再び「加護の会」に向かうが、
蓮田は全国への出張でいませんでした。
しかし、そこで信者たちに温かく迎えられて
いっしょに過ごすうちに修斗の悩みはだんだんと消え、
惹かれていったのです。
ネタバレ
シ村は生前の出来事を思い出していました。
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1960年、シ村こと市村正道は市役所で働いていました。
ある日、足をくじいた老婆・ハツを家まで送り届け、
姪孫の幸子(安達祐実)と知り合います。
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夕食をご馳走になることになった市村は
話を聞いていき、
幸子は売れない画家でその為、
ハツとの仲は悪く食事中でも会話もしないほどでした。
そして、絵のモデルになって欲しいと頼まれ、
交流を通じて市村は幸子に惹かれていったのです。
やがてハツが亡くなり、
市村は葬儀を手伝うも幸子は一人になってしまいます。
そして葬儀の後、幸子
「よかったら家族にならない?」と市村に言い、
「はい、幸子さん。僕と結婚してください」
とプロポーズをして2人は家族になりました。
ところが数年後、
娘がだいぶ大きくなった頃に幸子は
「もう一度だけ加護の会に行ってきます」と
置手紙を残して市村の元を去ってしまいまさした。
死役所にて、
「加護の会に行ったことで心が豊かになった」
「俺は俺でいい。家族がそう教えてくれた」と
死役所で語る修斗の話をシ村は黙って聞いていました。
修斗が「加護の会」に入り浸ってから1ヵ月後、
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蓮田が戻って来て、
修斗は蓮田と盟約を結ぶことを決めるのでした。
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盟約を結ぶには三日間の断食、
その後はなるべく眠らずに瞑想、
計一週間の修行が必要でした。
修行中、一人部屋に閉じこもる修斗は、
部屋に書かれたありがたい言葉で
「自身のこれまでの人生・弟へのコンプレックス」など
様々な事柄が一気に押し寄せてきました。
意識が朦朧としながらも修行を終えた修斗を
「私たちは家族になりました。お帰りなさい、修斗」と
蓮田と信者達が迎え入れるのでした。
ネットもテレビも無く世間から離れて、
広大な土地で自給自足をする
「加護の会」の暮らしに満足していた修斗でした。
ある日、信者の子供が酷く怒られているのを発見しました。
それは指で人を指す事で、
それは「加護の会」のポーズを作れなくなるので
絶対的なタブーだったのです。
そこに恭平が修斗を連れ戻しにやって来て、
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拒否するも強制的に家に連れ戻されてしまい、
家族で話し合いをすることになりました。
祖母は自分が連れて行ったから
孫が変わってまったと後悔し
母親はうな垂れるばかりでした。
恭平は「社会から逃げているだけ。洗脳されている」と言うが、
そんな説得に修斗は一切耳を傾けません。
業を煮やした恭平は
「ただの家族ごっこだ。本当の家族はここにいる」
と指を指して非難しました。
絶対的なタブーをされた修斗の怒りが爆発し、
幼い頃から比較され続けられたことなど不満をぶつけていきます。
そして「俺の家族は加護の会だけだ!」
と家を飛び出してしまいます。
そんな修斗を恭平は必死で追いかけるが、
事故に遭い修斗は帰らぬ人となってしまうのでした。
場面は再び死役所、
すでに受け入れていたので
死ぬことは怖くなかったと語る修斗でした。
シ村は修斗に
「幸子という女性がいませんでしたか?」と訪ねたが
修斗が中々答え無かったので声を荒げてしまったのでした。
「そんな人は俺の家には居なかった気がする。でも別の家で特別な加護を受けていたのかもしれない」
とだけ修斗は答えて成仏してしまいました。
全てを聞いていたニシ川(松本まりか)が
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シ村の元にやって来ました。
「私にはよく分かりません。今更会ってどうなるんですか?」
といつものようにぶっきら棒に投げかけるニシ川に、
「何のことでしょう?」とだけシ村は答えました。
そして、シ村は妻・幸子、娘・美幸と3人で
「加護の会」を訪ねたことを思い出していました。(続く)
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